- 2026.07.02
- コラム
公共工事に参入するには?経営事項審査(経審)の流れと必要な準備を解説
建設業を営む中で、「公共工事にも挑戦したい」と考える経営者の方は少なくありません。
しかし、公共工事の入札に参加するためには、建設業許可を取得しているだけでは不十分です。企業の経営状況や技術力などを評価する「経営事項審査(経審)」を受け、その後に入札参加資格審査の申請を行う必要があります。
初めて経審に取り組む場合、「何から始めればいいのか分からない」という声もよく聞かれます。
今回は、経営事項審査の概要と、公共工事へ参入するための基本的な流れについて解説します。
経営事項審査(経審)とは
経営事項審査(経審)とは、公共工事の入札に参加しようとする建設業者が受ける審査です。
会社の完成工事高や財務状況、技術者数、社会性などをもとに評価が行われ、その結果が点数として示されます。
公共工事の発注者である国や地方公共団体は、この審査結果を参考に入札参加資格の審査を行います。
そのため、公共工事への参加を希望する場合は、まず経審を受ける必要があります。
公共工事に参加するまでの流れ
公共工事の入札へ参加するまでには、次のような流れで手続きを進めます。
【公共工事参入までの流れ】
●決算
↓
●決算変更届(事業年度終了届)
↓
●経営状況分析
↓
●経営事項審査(経審)
↓
●総合評定値通知書の取得
↓
●入札参加資格審査(指名願い)
↓
●公共工事の入札参加
経営状況分析や経営事項審査では、前段階で取得した書類が必要になるため、順番に進めることが重要です。
経審を受けるために必要な手続き

■決算変更届(事業年度終了届)を提出する
まずは、決算終了後に「決算変更届(事業年度終了届)」を提出します。
建設業許可を受けている事業者は、毎事業年度終了後4か月以内に決算変更届を提出しなければなりません。
経審を受ける際にも必要となるため、未提出の場合は先に手続きを済ませておく必要があります。
■経営状況分析を受ける
次に、国土交通大臣の登録を受けた経営状況分析機関へ申請を行います。
提出した財務諸表などをもとに会社の経営状況が分析され、経営状況分析結果通知書が発行されます。
この結果通知書は経審の申請時に必要となります。
■経営事項審査(経審)を申請する
経営状況分析の結果通知書を取得したら、許可行政庁へ「経営事項審査(経審)」を申請します。
申請時には、技術者の資格を証明する書類や社会保険加入状況を確認する資料など、多くの添付書類が必要になります。
審査終了後には、「総合評定値通知書」が交付されます。
■入札参加資格審査を申請する
総合評定値通知書を取得した後は、入札への参加を希望する国や自治体へ入札参加資格審査(指名願い)を申請します。
自治体ごとに申請時期や必要書類が異なるため、事前の確認が欠かせません。
この手続きが完了すると、公共工事の入札へ参加できるようになります。
経審を受ける前に確認しておきたいこと
経審をスムーズに進めるためには、事前準備も重要です。
特に確認しておきたいのが、建設業許可に関する届出状況です。
決算変更届が未提出であったり、役員変更や営業所変更などの届出漏れがあったりすると、経審手続きに支障が生じることがあります。
また、専任技術者や常勤役員等に変更がある場合は、許可要件との関係も確認しておく必要があります。
経審の申請準備を始める際は、建設業許可に関する届出が適切に行われているか、一度見直しておくと安心です。
評点アップにつながる取り組みも確認する
経審では完成工事高や技術者数だけでなく、社会保険への加入状況や各種認証制度への取り組みなども評価対象となります。
項目によっては加点につながる場合もあるため、自社で活用できる制度がないか事前に確認しておくとよいでしょう。
経審の直前になって準備を始めるのではなく、日頃から会社の体制整備を進めておくことが大切です。
まとめ
公共工事へ参入するためには、経営状況分析→経営事項審査(経審)→入札参加資格審査という手続きを順番に進める必要があります。
また、経審を受けるためには決算変更届の提出や各種変更届の整備も欠かせません。
スムーズに公共工事へ参入するためにも、決算後は早めに準備を進め、必要に応じて行政書士などの専門家へ相談しながら手続きを進めることをおすすめします。