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  • 2026.06.30
  • コラム

建設業許可を取得するための要件である専任技術者(営業所技術者等)になれる人は?

前回の記事で解説した経営業務管理体制の要件と並び、建設業許可の取得において重要な要件の一つが、「営業所技術者等(旧:専任技術者)」の設置です。

営業所技術者等とは、営業所に常勤し、請負契約に関する技術的事項の管理や、工事内容に応じた技術的判断などを担う技術者をいいます。

建設業許可申請においては、資格や実務経験を客観的資料によって証明する必要があり、経営業務管理体制と並び、確認事項の多い重要な要件の一つです。

今回は、営業所技術者等として認められるための主な要件や、申請実務において注意したいポイントについて解説します。

営業所技術者等(専任技術者)として認められる主な3つのパターン

① 国家資格を保有しているケース

最も一般的なのが、申請する建設業種に対応した国家資格を保有しているケースです。

例えば、以下のような資格が該当します。

  • 施工管理技士
  • 建築士
  • 技能検定合格者(技能士)
  • 基幹技能者

資格の種類によっては、一つの資格で複数業種の許可要件に対応できる場合もあります。

資格による証明は、実務経験のみで要件を立証するケースと比較すると、確認資料の準備が簡易に済むことが大半です。

② 指定学科卒業+実務経験を有するケース

建築学、土木工学、電気工学など、建設業法上の指定学科を修了している場合、必要な実務経験年数が短縮されます。

例えば、
・大学(高等専門学校を含む)卒業後:3年以上の実務経験
・高等学校(中等教育学校を含む)卒業後:5年以上の実務経験

学歴と実務経験を組み合わせて要件を満たす制度です。

なお、対象となる指定学科や必要年数は、取得する許可業種によって確認が必要になります。

③ 10年以上の実務経験を有するケース

国家資格や指定学科の卒業要件がない場合でも、申請業種について10年以上の実務経験があれば、営業所技術者等として認められる場合があります。

ただし、この類型は実務上、証明資料の整理が特に重要になります。

単に「長年現場で働いていた」というだけでは足りません。

どのような工事に、どの期間従事していたかを客観資料によって示すことが求められます。

実務経験として認められる業務とは

建設業許可申請では、「現場経験が長い=要件を満たす」とは限りません。

実務経験として認められるのは、申請業種に関する施工をした実績となります。
申請業種に関する施工をした経験であれば、新入社員でも役職者でも等しく認められます。

建設工事に直接関与する技術上の職務経験が必要で、現場技術者、施工管理、設計などの業務が対象になります。

一方で、保守点検・メンテナンス、現場の雑務、一般事務、経理業務、営業活動などは、原則として実務経験に含まれません。また、実務経験は業種ごとに確認されます。

そのため、実際にどのような業務に従事していたか、どの業種に該当するかを整理することが重要になります。

過去の勤務先の経験を証明する際の注意点

現在の勤務先だけでなく、過去に勤務していた会社での経験を合算して証明するケースもあります。

その場合、以下のような資料を必要に応じて準備する必要があります。

  • 実務経験証明書
  • 在籍確認資料
  • 工事請負契約書
  • 注文書、請書
  • 入金確認資料 など

※実務経験を証明するために必要となる資料は、許可行政庁(都道府県・国土交通大臣許可)によって取扱いや確認資料が異なることがあります。実際の申請にあたっては、事前に管轄行政庁へ確認することが重要です。

実務では、

  • 前職が廃業している
  • 当時の資料が残っていない
  • 関係者から協力を得られない

といった事情により、実務経験の証明に苦労するケースも少なくありません。

建設業許可申請では、「経験があること」だけでなく、「経験を証明できること」も重要になります。

営業所技術者等(専任技術者)の役割と専任性

営業所技術者等は、営業所において建設工事に関する技術的な管理を担う重要な役割を持ちます。

例えば、

  • 見積作成時の技術的判断
  • 工法や資材に関する検討
  • 施工計画に関する技術的な確認
  • 営業所における技術的指導や管理

などが主な業務です。

一方で、建設業では混同されやすい技術者として、「主任技術者」や「監理技術者」があります。

営業所技術者等が営業所に配置され、営業所全体の技術的管理を担うのに対し、主任技術者・監理技術者は、実際の工事現場ごとに配置され、施工管理や品質・安全管理などを担います。

また、営業所技術者等には営業所への常勤性が求められます。

退職などによって営業所技術者等が不在となった場合には、許可要件を欠く状態となるため、速やかな対応が必要になります。

建設業許可は取得時だけではなく、取得後の体制維持も重要です。

役員変更や事業承継なども見据えながら、継続的な管理体制を整備していくことが求められます。

まとめ

営業所技術者等(専任技術者)は、建設業許可取得における重要な要件の一つです。

資格、学歴、実務経験など、複数の要件パターンがある一方で、実際の申請では確認資料の整理や証明方法が重要になります。

建設業許可を円滑に取得し、その後も安定して維持していくためには、制度内容を理解したうえで、適切な準備を進めることが重要です。

次回は、「一般建設業許可」と「特定建設業許可」の違いや、自社に適した許可区分の考え方について解説します。