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  • 2026.10.29
  • コラム

個人事業主の建設業許可|条件・必要書類・費用の確認ポイント

個人事業主や一人親方でも、必要な要件を満たせば建設業許可を取得できます。元請けから取得を求められた方に加え、今後の受注を広げたい、お客様に自分たちの事業をより信頼してもらいたいという理由で検討する方もいます。

一方で、長く現場で働いていても、その経験を何で証明すればよいか分からず、準備が止まってしまうことがあります。この記事では、千葉県で一般建設業の知事許可を新規取得したい個人事業主の方に向けて、当事務所で確認していることと、相談前の準備を説明します。

許可取得を考えるきっかけは受注と信頼づくり

当事務所に寄せられる相談には、主に三つのきっかけがあります。取引先から許可を求められたとき、大きな工事の話が来たとき、そして将来の事業を見据えて自ら取得を考えたときです。

例えば、特定の元請けの協力業者として仕事をしている場合、取引先の方針が変わり、許可を持つ業者であることを求められることがあります。法令上許可が不要な規模の工事でも、取引先が独自に条件を設けることはあるためです。

また、松戸・柏エリアで一般のお客様向けにリフォームを行う法人から、今後の事業と信頼づくりを見据えて取得を相談されたこともあります。個人事業主の方も、これからどのような相手と取引したいかを考えると、取得を検討する理由が具体的になります。 なお、建築一式工事以外では、1件の請負代金が税込500万円未満の工事だけを請け負う場合、建設業許可は不要です。建築一式工事には別の基準があります。金額や工事内容によって判断が変わるため、受注する前に確認しましょう。

最初に整理したいのは取得の目的と今後の予定

当事務所では、最初に、なぜ建設業許可を取りたいのかを伺います。目の前の工事のためなのか、取引先を増やすためなのかによって、確認する期限や準備の順番が変わるためです。

近いうちに法人化する予定があるかも確認します。個人で許可を取ってから法人化する場合には、承継の認可など、追加の手続きを検討する必要があります。法人化の方針が決まっている方は、取得前にその予定をお知らせください。

法人化を先に進めた方がよいか、個人で許可を取得する必要があるかは、受注予定や法人化の時期も含めて判断します。許可が必要になる日から逆算して、手続きを整理していきます。

個人事業主が確認したい条件と必要書類

初回相談では、建設業の経営経験、取得したい業種に関係する資格や実務経験、手元にある資料を確認します。特に、経営してきた経験と、工事に携わってきた経験を分けて整理することが大切です。

確認すること整理しておく情報や資料
建設業の経営経験事業を営んだ期間、確定申告書、工事の契約書・注文書、請求書と入金記録など
技術者としての要件資格証、卒業した学校・学科、工事の実務経験、独立前の勤務先と在籍期間
財産的な条件決算書類、自己資本の状況、資金調達能力を示す資料
営業所の状況所在地、事務スペース、使用する権利、営業所の実態が分かる写真など
保険の加入状況事業形態、従業員の有無や人数、加入している保険の情報

これらに加えて、誠実性や欠格要件などの確認も必要です。上の表は初回相談のための整理項目で、申請書類一式ではありません。必要な資料は、申請内容や経験の証明方法に応じて決まります。

経営経験と工事の実務経験は分けて確認する

建設業の経営経験については、5年以上の経験を確認する方法が代表的です。個人事業主としての経験を確認する際は、その期間の確定申告書と、建設工事を行っていたことを示す取引資料などを見ます。経歴によって検討する要件や証明方法が異なるため、過去の役職や働き方も伺います。

工事の実務経験は、営業所技術者としての要件に関係します。取得したい業種に対応する国家資格、所定の学歴と実務経験、10年以上の実務経験など、複数の確認方法があります。資格を持っていない方すべてに、一律で10年の実務経験が必要となるわけではありません。

独立してからの年数だけで判断せず、以前の勤務先で何の工事に携わっていたかも整理してください。経営経験として確認する期間と、技術者としての実務経験に含めて検討する期間は、必ずしも同じではありません。

過去の書類が足りない場合も経歴から確認する

経験そのものが不足している場合と、経験はあるものの確認資料が不足している場合では、検討する内容が変わります。当事務所では、書類の有無だけで判断せず、まず経歴と手元の資料を伺っています。

独立前に建設会社で働いていた方であれば、当時の会社がどの業種の許可を持っていたか、いつまで在籍していたか、どのような工事を担当したかを確認します。許可の履歴や年金加入記録など、確認に使える資料を探すこともあります。

千葉県の手引きでも、他の会社での実務経験については、工事実績の確認に加え、原則として、当時の常勤性を確認する資料が求められます。どの資料で何を証明するかを整理することが、申請準備の重要な部分です。

一度相談して難しいと言われた方も、経験のどの部分や資料が課題だったのかを整理すると、確認すべきことが明らかになる場合があります。建設業許可を扱う行政書士に、別の証明方法を検討できるか相談することも選択肢です。取得の可否は、個々の事実と資料を確認して判断します。

【モデルケース】独立前の勤務経験を含めて検討する

ここでは、取材内容をもとにした説明用のモデルケースで、確認の流れを紹介します。特定の一件の取得実績や審査結果を示すものではありません。

塗装工事を営むAさんは、独立して6年。確定申告書や、独立後の請求書・通帳は手元にあります。業種に対応する国家資格や、学歴などによる実務経験期間の短縮要件には該当せず、10年以上の実務経験で要件を検討する状況を想定します。

この場合、独立後の経験だけでは4年分が不足します。そこで独立前の職歴を確認したところ、塗装工事を行う会社で従業員として働いていた期間がありました。次に確認するのは、その期間の仕事内容と、経験を裏付ける資料です。

当事務所では、勤務先の当時の許可業種や許可期間を調べ、申請者の在籍期間や実際に担当した工事との関係を整理します。元の勤務先に証明への協力をお願いする必要がある場合には、ご本人に連絡していただくこともあります。

独立前の経験も含めて検討することで、どの期間について、誰に、何の確認を依頼するかが具体的になります。勤務していたことだけで工事の経験がすべて証明できると考えず、仕事内容と必要資料を併せて確認することが大切です。

資金や営業所などの準備で確認すること

資金を証明する書類は申請の時期に合わせる

一般建設業の新規許可では、自己資本が500万円以上あることや、500万円以上の資金調達能力があることなどを確認します。自己資本と資産の総額は別の数字なので、決算書のどの項目で判断するかにも注意が必要です。

千葉県で預金残高証明書などにより資金調達能力を示す場合、申請時点で証明基準日から1か月以内のものが必要です。先に証明書を取得すると、準備中に期限を過ぎることがあります。申請の見通しを立ててから、取得時期を相談してください。

自宅を使う場合は営業所としての実態を確認する

自宅を営業所として使える場合もありますが、事務スペースの区分や独立性、設備、使用する権利などを確認します。日常生活の場所と事務所がどのように分かれているか、図面や写真も使って整理します。自宅だからという理由だけで判断せず、具体的な状態を確認する必要があります。

保険は事業形態と従業員の状況に合わせて確認する

健康保険・厚生年金・雇用保険は、加入義務のある保険に適切に加入しているかが確認されます。個人で従業員を雇わずに営む場合と、従業員を雇う場合では確認する内容が変わります。ご自身の加入状況と従業員の状況をお伝えください。

相談から申請と許可取得までの流れ

当事務所では、まず電話などで取得したい業種や経験を伺い、面談で資料を確認します。その後、追加資料を集め、要件と申請内容を整理して申請へ進みます。許可後には、標識の掲示や毎年の届出など、取得後に必要な対応もご案内します。

準備にかかる時間は、資料がそろっているか、過去の勤務先への確認が必要かなどで変わります。面談から1か月程度で申請することもありますが、個別の状況によるため、初回相談で見通しをお伝えします。

千葉県が公表する許可の標準処理期間は、土日・祝日を含めて45日です。これは資料準備の期間とは別に考える必要があります。希望日に許可が出ることを保証する日数ではないため、工事や取引の予定がある方は早めにご相談ください。

当事務所では、必要になる時期が分かっている方には、3か月ほど前を一つの相談目安としてお伝えしています。準備の開始時期を早めることで、資料の不足が分かった場合にも対応を検討しやすくなります。

報酬と法定費用を分けて総額を確認する

千葉県知事の新規許可申請では、申請手数料として9万円が必要です。行政書士へ依頼する場合には、その報酬と、証明書の取得などにかかる実費も含めて考えます。

当事務所の現在の料金は、建設業許可のサービスページでご案内しています。実務経験の確認に必要な対応などによっても費用が変わるため、ご相談内容に応じて、支援する範囲と費用をお見積りします。

建設業許可のサービス内容と料金を見る

法人化を予定している方は取得の順番も相談する

個人で許可を取った後に法人化する場合、要件を満たして承継の認可を受ける方法があります。ただし、自動的に法人へ引き継がれるわけではなく、手続きと時期の調整が必要です。

そのため、近いうちに法人化する方針が決まっている方には、先に法人を設立してから許可申請を進める方法も検討します。すでに許可が必要な仕事を控えている場合は、その予定も踏まえて判断します。会社設立に関するご相談も、提携する専門家と連携して対応しています。

今ある資料から取得の可能性と準備を整理する

相談の前に、必要な書類をすべてそろえる必要はありません。手元の確定申告書、工事の契約書や請求書、通帳、資格証など、今あるものから見せていただければ、何が足りないかを整理できます。

当事務所が大切にしているのは、許可を取りたい理由と、その先に実現したいことを伺うことです。今後の受注を広げたい、一般のお客様との信頼づくりを進めたいという方も、ご自身の状況から相談してみてください。

アスミル行政書士事務所では、松戸・柏をはじめ千葉県内の建設業者様のご相談を承っています。初回相談は無料です。電話やお問い合わせフォームからご連絡いただけます。夜間・土日やオンラインの面談にも、事前のご予約により対応しています。

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参考情報

2026年10月25日時点で確認した資料

千葉県 建設業許可の手引き:許可の基準(PDF)

千葉県 建設業許可の手引き:確認資料(PDF)

千葉県 建設業法・建設業の許可:標準処理期間

千葉県 建設業許可の承継の手引き(PDF)